エビづくし

昨日、台湾は祝日。
昔、中国の官僚のひとりが海中に身を投げた日らしい。
詳しくは不明。満月。
夜、台湾人2名に誘われて、エビ料理屋に出かけた。
ひとりは現地法人のF氏、もうひとりはその元同僚Dさん。
ふたりとも日本語が堪能。
F氏は大学が日本語学科だったらしい。
メニューを広げる。エビまみれであった。
鍋料理、炒めもの、蒸しもの、燻りもの。
調理方法こそ違え、写真で見るかぎり差異がなく、
ひたすらエビばかりを陳列した色気のない盛りつけ。
エビがダメな人は行ってはいけません。
エビしかないので。
私がエビの殻を剥かずに、バリバリと頭まで食べ尽くすとDさんが
「朦朧さん、殻は捨てるんですよ。下にゴミ箱があります」
というので、
「殻はふつう、食べるでしょう」
と申しあげてみたところ、
「ええー、食べないよ。こんなに殻を食べたらお腹おかしくなりますよ」
それもそうだなと思い直して、それ以降、殻はくずかごへぽいっ、ぽいっ
と放り投げる方針をとった。
テーブルのどこを見渡しても、エビしか見あたらない。
いったん意識すると、不気味な光景ではあった。