鍋とFringe Tritoneのライブ



渋谷は若者の街。ハチ公口を一歩出ると、ゴールデン・ウィーク初日とあって、はしゃぎきった若者たちが濁流のごとくうねりながら駅前の交差点を埋めている。むさ苦しい。夕方5時に犬の銅像のわきで、みなちゅうと会うことになっている。1時間も早くついてしまった私と友人のがくろうおは、道玄坂を少しあがった右手のモスバーガーに入店し、しばしの歓談に耽った。歓談といったって、その日のお通じの具合を報告しあうなど、日頃の生活を思い返し、気持ち色合いの珍しい小石を拾いあげて、ピンと指ではじく要領で端的な言葉に仕立てるだけのことだ。ふたりの狭間に転がり出た小石を人は「話題」と呼んだりもする。話題を欠くと沈黙が広がる。
コロナビールでほろ酔いの私と金がないがくろうお。時間厳守でハチ公前に出向いた。若い右翼が道路脇に止めたミニバンのうえに上がって仁王立ちし吠えている。

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