『モンスター』

マイルド具合(寛容さ)を計るのには、ある意味で
うってつけの映画かもしれない。
不細工役のシャーリーズ・セロン
娼婦で連続殺人犯。そしてレズ。
お相手はクリスティーナ・リッチ
このあたりからしてすでに、「壮絶な生き様モノ」を予感
させる。そうなのだが。
ボーイズ・ドント・クライ』や『バタフライ・キス』に通底する
美しくも暗いムードがはじめの30分にはあって、結構引き込まれた。
けれど、中盤から主演のふたりがギャンギャンとむやみに口論
しだし、そのどさくさで背後に「深い問題」がチラつく。

いかなる理由があっても、人は人を殺してはいけないのか、みたいな。

このあたりで、強烈な眠気に襲われた(10分ほど寝ちゃいました)。

映画を受け入れることはできませんでした。が、今回にかぎっては、
寛容を欠いてるからというよりは、むしろ私の中のささやかな寛容
の精神が「壮絶な生き様」なるものを警戒したのではないかと思う。
気分はちょっとマイルド。
とはいえ、以上の感想はひねくれすぎかもしれない。
こういうの、ぼくはずいぶん見たので、あんまり驚かないって
ところがある。